エアコンの取り外しを自分でしましたのでご紹介します。
エアコンの取り外し工事をDIYする上で一番怖いのは「室外機が破裂する事故」です。
私はこれまでに自宅の4台のエアコンの取り外し、取り付け工事をしましたが、一番最初の取り外し工事はやはり凄くドキドキしながら工事したのを覚えています。
このブログを見てくれた方が絶対に事故をおこさず、安心してできる工事方法をご紹介しますが自己責任でお願いします。
YouTubeに「1分で見る エアコン取り外し」をアップしていますのでよろしければこちらもご覧ください。
エアコン取り外し工事に必要な工具類
エアコンの取り外し、取り付けに必要な工具はいろいろありますが、DIYする上で一般の人が最低限必要と思われる工具類です。
エアコン工事のプロはもっと高価な工具を揃えていますが、私は安価な工具で工事しました。それでも問題なく工事できます。
この中でエアコン取り外しに必要な工具は、チューブカッターとモンキーレンチ2本です。チューブカッターは銅管を切断するために使用しますが、取り外して再利用しないのであればニッパーでも切断可能です。
これらの工具は冷媒配管にかかっている圧力の判定と配管内を真空にするために使います。
私はメルカリでこれら一式(コントロールバルブは除く。)を15000円で購入しました。
ゲージマニホールド、ガスチャージホース、コントロールバルブは圧力計を目で見て確認するためには必須です。
真空ポンプは取り外しには必ずしも必要ではないのですがあった方がよいです。エアコン取り付けも予定している方は、手動式の簡易真空ポンプはAmazon等では見当たりませんでしたので、自動式の真空ポンプの購入をおすすめします。
セットで買うのなら「イチネンTASCO お宝市限定セット」がよさそうです。
エアコン取り外し工事の概略
エアコンの取り外し工事に必要な大事な工程に「ポンプダウン」という作業があります。これは冷媒配管をそのまま取り外してしまうと大気に冷媒ガスが流出するため、冷媒配管内のガスを室外機のコンプレッサーに閉じ込める作業です。エアコンを移設して再利用する場合も必須の作業となります。
前段でお話した「室外機が破裂する事故」というのはこのポンプダウン中におこる事故です。事故のメカニズムを簡単に説明するとポンプダウン作業中に手順の間違い等によりコンプレッサー内に空気(外気)がとめどなく流入してコンプレッサーの内圧が上昇して内部の潤滑油が発火温度以上となりディーゼル爆発してしまうのです。
本来は冷媒ガスのみをコンプレッサー内に閉じ込めていくので、冷媒配管内の圧力はだんだんと負圧に近づいていくのです。コンプレッサーが破裂するということは冷媒配管内は負圧とは逆の正圧の状態になっています。
配管内の圧力が負圧(圧力が低い状態)か正圧(圧力が高い状態)かを目で見て判断できれば安心して作業できます。そのためには圧力ゲージ(ゲージマニホールド)が必要となります。
圧力ゲージがなくても作業はできるのですが、安心して作業するためにはぜひ購入しておきたいところです。
エアコンがそもそも冷えない場合、エアコン自体が故障しているか冷媒配管接続部分に漏れがあり冷媒ガスが抜けている状態となっているのでポンプダウンをする必要はありません。
作業工程を簡単に説明すると、
1,圧力ゲージとサービスポートをつないで冷媒配管の圧力を確認する。
※0Mpaならばガスが抜けているのでポンプダウンしない。
2,エアコンを応急運転(強制冷房運転)して、エアコンが正常に動いているのを確認する。
※エアコンが冷えなければ室外機のファンが回っていない等の故障かガス漏れしているのでポンプダウンしない。
3,冷媒配管の送り側(二方弁=細い方)を閉める。圧力ゲージを確認し、負圧になり0Mpaに近い状態になっているのを確認した後、冷媒配管の戻り側(三方弁=太い方)を閉める。
※二方弁を閉めてから数十秒でゲージ圧力が0Mpa以下となるが3分経過してから三方弁を閉める。
4,エアコンを停止する。
ここまで完了したら、電気配線や冷媒配管、室内機、室外機を取り外して撤去完了です。
この1から4の工程は一発で決める必要があります。ポンプダウンの途中で配管接続部分のナットを緩めたり外したりすると室外機のコンプレッサーが爆発する可能性があります。
お時間のある方は大阪市消防局の火災原因調査論文「エアコン室外機におけるディーゼル爆発による火災」もご確認ください。
エアコン取り外し手順 ~エアコン停止状態での作業編~
1,エアコンは停止状態で室外機の配管カバーと袋ナット3ヶ所(二方弁、三方弁、サービスポート)を全て外す。
2,サービスポートとゲージマニホールドからでているコントロールバルブを接続する。
ゲージマニホールドには左側の低圧ゲージと右側の高圧ゲージがありますが高圧ゲージは使用しませんので「閉」にしておきます。コントロールバルブは半時計回りに回して虫ピンが引っ込んだ状態でサービスポートに接続する。
3,ゲージマニホールドからサービスポートまでのガスチャージホース内の空気を抜くために真空ポンプを作動させる。真空引きをすると低圧ゲージが-0.1Mpa近くになる。
4,ゲージマニホールドのLOWツマミを「閉」にして真空ポンプを外す。外し終わったら真空ポンプのチャージホースがつながっていた部分に袋ナットをしてからLOWツマミを「開」にする。
5,コントロールバルブを時計回りに回して虫ピンを押し出すことにより、冷媒配管内の圧力を低圧ゲージに表示させる。(取り外すエアコンが200Vの18畳用の大きなエアコンのため、ゲージ圧力は2Mpa以上ありました。100V用のエアコンならば1.5Mpa前後のようです。)
ガス圧力は適正であり、ゲージ圧力の低下も見られないため、正常と判断して次の工程にうつります。
エアコン取り外し手順 ~エアコン作動状態での作業編~
1,エアコンを応急運転(強制冷房運転)にする。取り外す機種の室内機の前面カバーを開けると応急運転は「強制冷房運転は5秒間押す」との記載がありました。
各メーカーごとの応急運転モードへの切り替え方法を添付しておきます。
2,応急運転(強制冷房運転)を5~10分程度実施し、よく冷えることを確認する。
3,異常がなければポンプダウン作業にうつります。
二方弁の弁棒(袋ナットを外したところ)に六角レンチを差し込み、時計回りに回して閉鎖します。この作業は冷媒ガスを配管内に送るのを停止し、配管内を戻ってくる冷媒ガスを室外機コンプレッサーに閉じ込める作業です。
4,低圧ゲージがだんだんと下がっていき、負圧に近づいていきます。数十秒でゲージ圧力が0Mpa以下となるが3分待ちます。(冷媒ガスが室外機コンプレッサー内に回収できました。)
5,三方弁の弁棒(袋ナットを外したところ)に六角レンチを差し込み、時計回りに回して閉鎖します。この作業は配管を取り外す前にコンプレッサーに蓋をする作業です。
6,サービスポートに接続しているコントロールバルブを半時計回りに回して虫ピンをひっこめます。これにより冷媒配管系統から切り離します。
ゲージマニホールドのHIGHゲージ側のツマミを「開」にして配管内の残圧を排出します。プシュッと音がして残圧が排出できたらサービスポートからチャージバルブを外します。
7,室内機の電源プラグを抜いてエアコンを停止します。これより撤去作業に入るのでエアコンのブレーカーを落とします。
エアコン取り外し手順 ~撤去解体作業編~
1,エアコン配管の化粧カバーの前面カバーを取り外します。脚立に上っての作業になりますので転落注意です。
2,室外機の二方弁と三方弁の接続部分配管のナットをモンキースパナで緩めて外します。
3,室外機につながっている電源ケーブルを外します。電源ケーブルは3本つながっていますが、マイナスドライバーを突っ込んだら一度に外せるところがあります。わからなければニッパ等で切ってしまってもよいです。(ひっぱったら接続金具ごと引きちぎれてしまいました。これは失敗例です笑。もう捨てるので壊れてもよしとします…)
4,次に室内機と室内機につながっている配管及び電源ケーブル、ドレンホースを外します。外壁からでてきたあたりで配管及び電源ケーブル、ドレンホースを切断します。
配管は銅管なのでチューブカッターか大型のニッパー等で切断します。電源ケーブルはニッパーで切れますし、ドレンホース(排水ホース)はプラスチックなのでハサミでも切れます。
5,室内機を取り外します。室内機は本体下側を押して手前に引くとロックが外れます。本体上側は引っ掛けてあるだけなので少し持ち上げると室内機本体が外れます。
6,背板(室内機を取り付ける下板)のネジを外して撤去します。
配管の化粧カバーを再利用しないのであれば撤去します。
エアコン取り外し手順 ~不要エアコン処分編~
取り外したエアコンを再利用しない場合は捨てる必要があります。エアコン引き取り処分してくれる業者さんもありますが、いくらか処分費用がかかります。
私は、スクラップ屋さんに直接持ち込みましたので逆にいくらかのお金になりました。
まず、銅管は4m弱で約1000円、室内機と室外機は雑品扱いで約5000円になりました。自分でスクラップ屋さんに持ち込むと合計約6000円の節約になりました。
エアコンの取り外しも自分でするので総合計10000円近くの節約ができるのではないでしょうか?
次回、「エアコン取り付け編」でご紹介しますが、自分で1台エアコンを取り付けるとうまくいけば2万円くらいの節約となると思われます。
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